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気高く咲く、秋の花。菊の花言葉とおすすめ作品10選
季節の花を、その花言葉と共に紹介する連載。7月の朝顔に続いて、今月は秋を代表する花「菊」の花言葉と、スタッフ選りすぐりのおすすめ作品をご紹介します。
皇室の紋や日本のパスポートの表紙にも使われている、菊の花。仏花などお供えにも使われ、我々日本人にとっても馴染深い花のひとつです。
本来は9月~11月が見頃の秋の花ですが、現代では栽培方法の工夫によって年間を通して菊の花が出回るようになりました
▲アトリエ・セリージェさんの仏花。大輪の菊はプリザーブドフラワー(造花)なので、水やりの必要はなく、長い時間美しいまま飾っていられます。
実は、日本で生産率一位の花!
また、令和2年度の農林水産省の統計では切り花の全出荷量32億5200本のうち、なんと13億本が菊!
約4割の出荷量を誇る、日本で生産率一位の花でもあるんです。なじみ深い花ではありますが、これには驚きますね。
【目次】
1.菊の花言葉
ー黄色の菊の花言葉
ー白い菊の花言葉
ー赤い菊の花言葉
ーピンクの菊の花言葉
2.菊の名前の由来
3.キクの紋章「菊花紋章」とは
4.9月9日は重陽(菊)の節句
5.インテリアもアクセサリーも。菊の花モチーフおすすめ10選
色ごとに違う、菊の花言葉
菊全体の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」。
気高く気品に満ち溢れた菊の花姿からそれらの意味がつけられたそう。また、色ごとに異なる花言葉を持っています。
黄色の菊の花言葉
「長寿と幸福」「破れた恋」
白い菊の花言葉
「誠実」「真実」
赤い菊の花言葉
「あなたを愛しています」
ピンクの菊の花言葉
「甘い夢」
菊の名前の由来
名前の由来は、中国から伝来した時に「kuku(クク)」と呼ばれたからという説や、一年で一番最後に咲く花として、日本語で行き詰まりを表す「窮まる(きわまる)」という言葉が語源となった等、諸説伝えられています。
皇室で使われている紋章に、菊の花の部分が図案化された紋章「菊花紋章」があります。
なかでも、16枚の花びらが描かれた十六八重表菊が最も有名ですが、旅の必需品であるパスポートの表紙にはその紋章を簡略化した十六一重表菊の紋章がデザインされているので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
では、なぜ菊の花が皇室で使われるほど高貴な紋章に選ばれたのか。そこには、平安時代末期から鎌倉時代初期に即位していた、後鳥羽上皇が菊を大変気に入っていたから。
後鳥羽上皇は菊を好み、衣類や刀に菊の紋章を使用していました。そのことが、後々の天皇である後深草天皇、亀山天皇、後宇多天皇に継承されたことにより、菊花紋章=皇室の紋として定着されました。
今やどこでも出会うことのできる菊の花ですが、平安時代から人々を魅了し、咲いていたとは。
時代を超えてもなお身近に咲き続け暮らしに寄り添う、日本を代表する花の一つと言えますね。
9月9日は重陽(菊)の節句
日本には季節を彩る様々な節句が存在しますが、旧暦の9月9日は重陽の節句。中国では奇数は縁起がよい「陽数」とされ、一番大きい陽数である9を重ねたこの日が「重陽」の節句とされました。
そして別名は「菊の節句」と呼ばれ、平安時代から日本では、この日に菊の花を飾ったり、花びらを浮かべた菊花酒を飲み邪気を祓うなどという風習がありました。
中国では古来より菊は、邪気を払い長寿の効能があるとされています。このようなご時世だからこそ、健康を願ってそばに飾っておきたくなる花ですね。
▲重陽の節句にぴったりな、YOUKAEN<petit>さんのボックスフラワー。菊花酒を飲みながら、箱の中に広がる菊の花に癒されてみては。健康を願う、敬老の日の贈り物にもおすすめです。
健康を願う、”大人の雛祭り”
菊を愛でて、食べて、楽しむ。節句というと、3日3日の桃の節句や5月5月の端午の節句など、どこか子どもが主役となる日が多い印象でしたが、大人こそ楽しめるような節句もあるんですね。
ちなみに、重陽の節句は「後の雛」という、桃の節句で飾った雛飾りをもう一度飾り、大人の女性の健康や長寿を願う風習もあるんです。その風習には半年ぶりに雛飾りを飾ることで虫干しをし、雛人形の痛みを防ぐという知恵も込められています。
高貴な佇まいの菊は、桃の節句のような可愛らしさとは異なり、大人っぽく上品な華やかさであることから、重陽の節句は”大人の雛祭り”とも捉えられています。菊の花と共に、ご自身の健康を願って飾ってみてはいかがでしょうか。
インテリアもアクセサリーも。菊の花モチーフおすすめ10選
ではここから、そんな魅力溢れる菊がモチーフにされた作品を厳選してご紹介します。
プレゼントをお探しの人は、贈る相手に合わせ花言葉の意味をイメージしながら、作品を探してみてはいかがですか。
heartsease candleさんの菊のキャンドル。
一つのボックスに、丸いフォルムが可愛らしいポンポンマムが3つ、そして菊の香りに誘われたかのように蝶のキャンドルまで入っています。箱の中に広がる小さく可憐な世界は、箱を開けた瞬間に思わず笑みがこぼれそうですね。
その小さな花びらは一点一点手作業で作られており、本物の菊のような咲きっぷりには息を呑んでしまいます。火を灯さずとも、そのまま飾っているだけでも楽しめる作品を多く出品されているので、ぜひギャラリーものぞいてみてくださいね。
柔らかなカフェオレカラーが秋らしい、weddingflorenceさんのアレンジメントは、今秋出品された新作です。菊は、黄色や白などはっきりとした色合いのイメージを持つ方も多いかと思いますが、お部屋のインテリアとして気軽に飾るなら、こんな馴染みやすいカラーリングもおすすめ。
ナチュラルな雰囲気が魅力の北欧風のインテリアにもマッチしてくれますよ。生花にそっくりのアーティフィシャルフラワーなので、水やり不要で楽しめるのも嬉しいですね。
日本らしい雰囲気のある菊ですが、洋風なテイストのアレンジメントも。フラワーデザイナーミセルデコさんのアーティフィシャルフラワーのブーケです。
濃いピンクから淡いピンクの花々が束ねられ、存在感も抜群。大輪の菊を中心に、実ものやコスモスなど秋らしい花たちがたっぷりと。インテリアに一つ加えるだけで、お部屋が一気に秋らしく、おしゃれになりますね。アンティークな家具との相性も◎
陶芸作家、丹下郁さんの作品です。落ち着きのある上品な色合いで、和室にも洋室にも溶け込んでくれそう。一枚一枚筋まで描かれた花弁や、葉脈から染み出ているかのように不思議な釉薬の質感など、細部までじっくり眺めたい作品です。
菊と葉っぱ部分は固定されていないので、それぞれ小皿として使うこともできます。オブジェとして飾るもよし、食卓に添えるもよし。細部まで手が込んでおり、小さいながらも存在感のある作品です。
白マットな釉薬が引き立つ、シンプルな菊豆皿。作り手は、淡路島の山間にある小さな工房で制作されているanさんです。食器を中心に二人で一点一点心を込めて制作された器たちは、ほっと心が和むものばかり。
皿の縁の色使いや、しっとりとした釉薬の質感など、料理を優しく引き立ててくれるようです。お塩や醤油を入れる手塩皿として使ったり、こまごましがちなアクセサリーを入れたりと楽しみ方もいろいろ。
そんな豆皿は、お気に入りをコレクションして愛でたくなる食器のひとつ。ついつい集めたくなってしまう箸置きと併せて、こちらの特集でもご紹介しています。
お酒好きさんへおすすめしたいのが、Shunさんのぐい呑みです。作り手のShunさんは、京都で大正6年から「京焼・清水焼」の伝統を受け継ぎながら、現代の暮らしに寄り添う作品を多く手がけられています。
ぬくもり感じる土の色を地に生かし、その上を菊の花が舞うように咲いた、渋く味わい深い作品です。丸くデフォルメされた白い菊は江戸時代の画家、尾形光琳が得意とした「光琳菊」で描かれています。
「高貴」という花言葉を持つ菊と水引が組み合わさった、crafterior [クラフテリア]さんのグラスのペアセット。縁起の良いデザインなので、結婚祝いや退職祝いにもおすすめです。
異なる色のガラスを層にした、”被せガラス”の技法で作られており、透明なガラスの外側に青や赤のガラスが重ねられています。
外側のガラスを削ることによって下の透明なガラスが浮き彫られ、模様が浮かび上がる……という技法で仕上げられた見応えある一品。
沖縄の植物や文化を取り入れたアクセサリーを手がける、アトリエひと匙さんのmonyou菊リング。沖縄の伝統工芸である「紅型(※沖縄伝統の染物の総称)」に描かれた菊をモチーフにして作られています。
指先に小さく寄り添う菊の花は、繊細ながらも存在感を感じられまさに”身に着ける彫刻”。アクセサリーに、さりげなくお花モチーフを取り入れてみたい、という方にもおすすめです。
nanohanaさんの手毬ピアス・イヤリング。〝日常に彩り〟をコンセプトに、手毬のアクセサリーや雑貨を中心に手がける作家さんです。
ころんとした球体の中に、細やかな装飾が施され、まるで小さな宝石のよう。使用されている絹糸は、藤色や錆桔梗(さびききょう)など、落ち着いた和のカラーリングです。身につけているだけで、ほっこりと穏やかな気分で過ごせそうですね。
ジュエリーデザイナーateliermozuさんのピアス。街がどや公園の植込みでも見ることのできるクリサンセマム(ノースポール)をモチーフに作られています。
シルバーで仕上げられた菊は、花弁が少し内側に入り込んだような控えめな咲き具合。立体感をつけて、ありのままに咲く様子が再現されているので、横から見ても本物の花のような仕上がりです。
キャッチにつけられているライスパールも上品で、耳元を可憐に彩ってくれます。普段使いはもちろん、フォーマルシーンにもおすすめしたいピアスです。
高貴に咲く菊と共に、秋の陽気を愉しんで。
菊の花は、「菊を飾ると福が来る」という言い伝えもある縁起の良いお花。お部屋のインテリアとして取り入れたり、さりげなくアクセサリーとして身につければ幸せを運んできてくれるかもしれませんね。
季節が変われば、咲く花も変わる。
四季の変化が楽しめる日本だからこそ、一年中個性豊かなお花が楽しめることを改めて嬉しく思う日々です。些細なことではありますが、花を暮らしに取り入れると、気持ちもすっと落ち着いて前向きになれる気がします。
肌寒い日が続き、本格的な秋もそろそろ始まりそうです。季節の変わり目を、花と共に楽しんでみてはいかがでしょうか。今後も季節に合わせたお花を花言葉と共にご紹介していきます。次回もお楽しみに!