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「世界観をのぞく。」あふれ出す空想の世界を、持ち運べるものに。|空想街雑貨店さん

「世界観をのぞく。」あふれ出す空想の世界を、持ち運べるものに。|空想街雑貨店さん

作り手がこだわって生み出したリアルなお店は、どこもかしこも作家さんのものづくりの根底にある想いや願いが詰まった空間なのではないでしょうか。お店に足を踏み入れたときの高揚感も、その場に流れている時間も、ふわっと漂う空気感も。全てがその作家さん自身が作り上げた作品と言えるかもしれません。

 

そんな、作家さんの頭の中のようなお店をのぞき見してみたい……。という想いから、新たな連載企画がスタートしました。その名も『世界観をのぞく。

 

Creemaで活躍する作家さんの中には、Creemaのサイトのみならず、実店舗を持っている作家さんもいらっしゃいます。本企画では、そんな実店舗を持つ作家さんのお店の様子を、作家さんの頭の中に広がる世界をのぞき見するように、ご紹介します。

あふれ出す空想の世界を、持ち運べるものに。空想街雑貨店さん

第一回を飾るのは、昨年吉祥寺に初の実店舗をオープンし、Creemaでもスマホケースやペンケース、そして夏のおうち時間にも楽しめるハンドメイドキットなどが人気の空想街雑貨店さんです。

内側イラストiPhoneSE2・12・mini・11・pro・MAX・7/8など手帳型スマホケース「選べる空想街」

空想街雑貨店の店長である西村典子さんと、その妹さんにあたる祐紀さんにお店をご案内していただきながら、店舗に作り上げた世界観や想いを深掘りしていきます。

 

※今回は感染症対策のためリモート取材を行い執筆しております。

〜空想街雑貨店とは?〜

お姉さんの西村典子さんが空想の街を描き、妹さんの祐紀さんがその絵を持ち歩ける雑貨へと生まれ変わらせる、姉妹によって手がけられたブランド。

コンセプトは、大人も持ち歩けるファンタジー雑貨。空想のまちをメインに雑貨を展開され、子どものみならず大人もワクワクできるような雑貨を作られています。

では早速、制作のお話も伺いながら、その世界観溢れるお店の中をのぞいてみましょう。

お店に入った途端、温かみのあるライトに照らされる作品たちが目に入ります。至る所に小さな箱が配置され、その中には様々な雑貨がたくさん詰まっています。

▲一つの箱に、一つの空想の街にまつわる雑貨(ポストカードや、ポーチ等)が収められ、じっくりと時間を忘れて一つひとつ眺めていたくなります。
▲ブランド名「空想街雑貨店」の周りにも、小さな空想の街がぎっしり!

小さい頃からとにかく絵を描いたりものづくりが大好きだったという、空想街雑貨店の店長西村典子さん。なかでもお家の絵や自分が行きたい世界を想像して描くのが好きで、小さな頃から空想の世界に夢中になっていたそうです。そして、絵で食べていくと決めたのが小学校4年生の頃だと言います。

西村さん:もともとは元気でおてんばな子どもだったのですが、小学校4年生での転校を気に、内向的な性格になってしまったんです。転校後の私は周りに馴染めず、教室で一人本を読んだり空想の世界を描いて過ごしていました。

最初は絵本の挿絵を描く人になりたくて、暇な時間があれば自由帳に絵を描き続ける日々が過ぎ、気づけば、大人になった今でも空想を描き続けられています。

▲店内の奥に進むと原画コーナーも。B4〜A3サイズくらいの原画が飾られ、それらが映えるように背景には黒い壁紙が使用されています。

小学生の頃から自分の頭の中にある風景を描き続けて、気づいたら大人になっていた……!というほど制作にのめり込んでいった西村さん。それほど絵がお好きなのかと思いきや、実は絵を描くことよりも空想をするの方がお好きなんだとか。

 

西村さん:どんどん描いていきたい空想の世界が増えていき、それを表現するために絵を描いています。絵を描きたい!というよりも、頭の中の空想を表現したい!という気持ちが大きいんです。

ーーそこまで溢れ出て止まらないほど空想がお好きなのですね。小さい頃からずっと空想を描き続けていく中で、スランプに陥ったり、苦戦したり……という瞬間はなかったのでしょうか。

西村さん:思いついたものを何かに表現しないといられないというタイプなので、今まで描きたくない状況だったりスランプになったことはないですね。一つの絵を描いている途中でも次の絵が思いついたり、常に湧き出ていきます!

▲お気に入りの装飾の一つだと教えてくださったのが、この星型のライト。店内に陳列された極彩色の作品たちを、より輝かせるように照らしてくれているよう。

ーーそんな、空想が大好きな西村さんが描き続けてきた空想の街たちですが、お店の装飾にはどのような想いが込められているのでしょうか。

西村さん:まるで絵本の中に入ったかのような、色々楽しめる店内にしたいという思いが最初からありました。店内の雰囲気を作り込んでいく中でお店の中でお宝を発見するような”海賊船”というテーマが合いそうだと思い、お店の世界観を作り込んでいきました。

 

そんな西村さんのお気に入りのエリアは、アトリエスペース。空想の街たちの原画は全て手描きだというほどアナログにこだわり続ける西村さんは、実際にお店でお客さんに「空想の街を生み出すところも見てもらいたい」という想いから、ライブペインティングのように絵を描いている時もあるそうです。

西村さん:やはり絵が生まれる場所という意味でも、アトリエスペースが一番のお気に入りです。イラストのデジタル化が進む今だからこそ、手描きならではの良さを大切にしていきたいんですよね。

また、私自身画材マニアでもあり、絵の具が本当に大好きなんです。画材にはこだわっていて、海外旅行へ行ったら必ず現地の雑貨屋に入って日本にはない絵の具を買って試しています。

▲アトリエスペースには、制作に使われている絵の具たちがずらり。色ごとに並べられ、この絵の具たちからあの色とりどりの空想の街が生まれていくのか……と思うとワクワクしますね。

西村さん:やはり絵の具の色って、楽しいですね。透明度だとか滲み度とか、色々な差があるのでそこに浸ったらもう出てこれなくなります。

特に私は絵の配色にこだわっていて、事前に色鉛筆で配色の計画を立ててからその計画を元に絵の具で着彩しています。


 

続いて、「アトリエスペース以外にも、お気に入りの場所をご紹介してもいいですか‥‥?」と嬉しそうにご紹介してくださったのは、作品が陳列された棚の中。その内側には、小さい窓やドアなどちょっとした細かい仕掛けがありました。

▲絵の中に登場するモチーフが、徐々に装飾の方にも広がっていました!お店まるごと空想街雑貨店の世界観が詰まっていますね。

まるで、空想街雑貨店さんに登場する空想の街の一部が、現実の世界に飛び出してきたかのような、遊び心を感じさせる装飾です。

続いて、妹の祐紀さんのお気に入りだという、入り口のすぐ横にある棚を案内していただきました。

 

祐紀さん:私のお気に入りは、入り口の横に設置しているつっぱり棚のところですね。ここから店内が透けて見えるように作りたいなと思っていたので、ここをから覗くと、店内のワクワクする空間に引き込まれるような感覚がお気に入りなんです。

▲ポストカードを眺めていると、奥の広がる景色にも自然と目を奪われるよう。気づけば空想街雑貨店さんの物語の世界へと包み込まれていくようです。

ーーどれもお店で、体感してみたい!発見してみたい!と思えるような素敵な装飾ですね。実際に店内にお客さんがいらした際のエピソードなどはありますか。

西村さん:やはりお店は直接お客さんとコミュニケーションが取れる場でもあるので、具体的に欲しいアイテムを教えてくださったり、この絵柄のマグカップはありませんか?など、制作のヒントになるようなことを教えていただける機会にも繋がっています。

お店を始めた当初は、元々のファンの方の来店が多いのかなと思っていたのですが、徐々に近所のリピーターさんが来てくださるようになったり、ふらっと吉祥寺に遊びに来たお客さんが入ってこられたりしますね。

▲奥の大きな黒板には、西村さんによる手描きのイラストも。にぎやかで楽しげな雰囲気が随所に散りばめられています。

空想街雑貨店のお二人とも、お店について「じっくりずっと見ていられる美術館のような、ゆっくりと見ていられる場所にしたい!」という想いがあったそうですが、特にファンの方はじっくり、ゆっくりと空想街雑貨店さんの世界観に浸っている方も多いそう。


西村さん:特にファンの人は、とても長い時間をかけて、じっくりと実物を見てくださっている方が多いですね。お声がけするとCreemaさんで買って実物を見たくて来ました!という方もいらっしゃるんです。

やはりまだコロナ禍なので、地方在住の方はなかなか来店が厳しいと思うので、コロナが収束した際に、今まで来られなかった方々に足を運んでもらう為にも実店舗はやっぱり持ちたいですね。

ーーじっくり夢中になって描き続けた空想の世界を多くの方にじっくりと見ていただけるのも、お店ならではですよね。では最後に、空想街雑貨店さんのこれからの抱負について教えてください。

西村さん:より多くの人に伝えたい!という想いはあるんですが、作家個人としては私自身が結構内向的で、社会に出てもうまくいかなくて縮こまってしまうところがあったので、そんな現実が辛いという人に少しでも空想の世界に浸ってもらうことで、元気付けられたり、ワクワクをお届けできるようにしていきたいですね。

パスケース「天文学者の隠れ家」

祐紀さん:私は、自分の趣味を人に出していけない人たちに、空想街雑貨店の作品を持ち歩いて少しでも楽しいと思ってもらえたら……空想の世界に浸ってもらえたら……と思っています。だからこそ、作品を持ち歩けるようなものにしたいという想いがあるんです。

「空想街雑貨店」というブランド名にしたのも、ゆくゆくはリアルなお店にしたいという思いもあったかもしれないと語る西村さん。

実は、小学校の頃からお店を持つ夢はあったようで、当時から妹の祐紀さんに協力してもらうために仕事の依頼書を書いていたという可愛いエピソードもお話ししてくださいました(笑)

 

西村さん:私が持っていない能力を妹が持っているので、苦手な部分を補い合える部分もあって、大人になってお互いを理解したことで補いながらやっていけるようになりましたね。商売には小さい頃から興味があり好きだったので、作品作りと商売がうまく噛み合わさったのかなと思っています。

取材を終えて。

空想の世界があふれて止まらない姉の典子さんと、その世界観をしっかり汲み取って持ち歩ける形に生まれ変わらせる妹の祐紀さん。そんな二人が作り上げたお店は、まるで作品の中に入り込んだかのような、至る所にこだわりの装飾が散りばめられている、ワクワクとした空間でした。

 

西村さん:いろんな方法で空想街雑貨店を発信していけたらと思っているので、お店もその一つだと考えています。昔からの夢は叶ったと思うんですけど、またどんどんやりたいこと出てくるので、まだまだ今は夢の途中という感覚ですね。

 

その人の暮らしに自然に溶け込み寄り添って、ふとした時に元気付けられる。

額縁に飾られた絵をじっくり鑑賞するのもいいけれど、雑貨へと形を変え持ち歩ける作品になることで、より作品が身近に感じられ、また愛着が湧くのかもしれませんね。

 

相性抜群なお二人が作り出す、”持ち歩ける”空想の世界。これからもどんな空想が生まれてゆくのか、楽しみでなりません……!

〜空想街雑貨店 実店舗のお知らせ〜

現在の吉祥寺の店舗はチャレンジショップのため2020年11月末までの開店となり、その後は吉祥寺パルコにて3ヶ月ほどポップアップショップを開催予定です。3月頃に吉祥寺にて新店舗のオープンを予定しています。

空想街雑貨店さんのギャラリーページはこちら!

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