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フェイクファーやベロア、コーデュロイまで。ふわふわ素材のお手入れ方法をまとめました
お洗濯、できるかな…。頭の片隅でそんな不安を抱えながらもどうしても手が伸びてしまう、ふわふわなフェイクファー素材の小物や、起毛素材の洋服。
お洗濯方法やお手入れ方法を知っていれば、気軽に普段のファッションにも取り入れられそうですよね。
今回は、秋冬の季節に活躍するファーやベロア、コーデュロイを長く楽しむためのお手入れ方法についてご紹介します。
目次
● お洗濯が不安な「ふわふわ素材」。【素材別】のお手入れ方法
● フェイクファーのお手入れ方法
− フェイクファーの特徴
− フェイクファーの洗い方(手洗い)
● コーデュロイのお手入れ方法
− コーデュロイの特徴
− コーデュロイの洗い方(洗濯機)
● ベロアのお手入れ方法
− ベロアの特徴
− ベロアの洗い方(手洗い)
● ベルベットのお手入れ方法
− ベルベットの特徴
● スエードのお手入れ方法
− スエードの特徴
お洗濯が不安な「ふわふわ素材」。【素材別】のお手入れ方法
「冬のおしゃれ着の洗い方・お手入れ方法 カシミヤ・ウール編」につづき、今回はフェイクファーやコーデュロイ、ベロアなど冬の起毛素材のお手入れ方法など、冬の季節に活躍してくれるおしゃれ着を、来年も素敵な状態で着るための方法をご紹介します。
フェイクファーのお手入れ方法
Creemaでもたくさん出品されている、フェイクファーのアイテム。洗濯するのは一見大変そうに思われますが、フェイクファーであれば水洗いをすることができるんです。
正しい方法で洗うことで、元通りのふんわり感がよみがえります。
■ フェイクファーの特徴
本物の毛皮を使わず、アクリル繊維などの合成繊維でできたファーのことを「フェイクファー」と呼びます。本物の毛皮にはない特長を持たせることができ、特にデザイン性や発色性に優れたものが多いのが特徴です。
また、手入れが比較的簡単で、リアルファーに比べると耐久性が高く普段のファッションにも取り入れやすい素材です。
■ フェイクファーの洗い方(手洗い)
[1] ブラッシングする
洋服ブラシで毛をとかし、汚れやホコリを落とす。
[2] 洗剤液に浸ける
ぬるま湯におしゃれ着用中性洗剤かシャンプーを混ぜた洗剤液をつくり、5〜10分静かにつけておく。
[3] すすぐ
水を取り替え、軽く振るようにしてすすぐ。
[4] 柔軟剤液に浸ける
柔軟剤を溶いた水に沈め、全体になじませる。その後水を軽くきる。
※柔軟剤はすすぐ必要はありません。
[5] 水気を取り除いて干す
タオルで挟んでなでるように抑えながら水気をきり、干す。
[6] ブラッシングする
乾いたら洋服ブラシでブラッシングをする。
☆ポイント 毛並みに沿うようにブラシをかけるとふんわりと毛が整います。
コーデュロイのお手入れ方法
パンツからワンピースまで様々な洋服に使われているコーデュロイ。柔らかくて動きやすく、吸水性も良いコーデュロイは、秋冬に活躍してくれることが多い素材です。
コーデュロイは綿素材なので、洗濯機のドライコースで洗うことができます。ただシワがつきやすいので、洗濯ネットに入れて洗う必要があります。
■ コーデュロイの特徴
コーデュロイは、起毛の風合いが特徴的な綿素材。綿なので扱いやすい素材ですが、シワがつきやすく目立ちやすい、といった点も。
イメージがしやすいのは、黒板消しの消す側に貼られてある生地。あれも実はコーデュロイなんです。
■ コーデュロイの洗い方(洗濯機)
[1] 洗濯ネットに入れる
裏返し、きちんとたたんで洗濯ネットに入れる。
☆ポイント シワになりやすい素材なので、何回もたたまなくていいように大きめの洗濯ネットを使う方がおすすめです。
[2] 洗濯機にかける・脱水する
洗濯機のドライコースか手洗いコースで、おしゃれ着用中性洗剤を入れて洗い、脱水する。
[3] 毛並みを整えて干す
脱水後はシワにならないように早めに取り出し、手のひらで毛を逆立てるようになでてから干す。
ベロアのお手入れ方法
今季は光沢感のあるワイドパンツの人気が高まり、ベロア素材の洋服を見つける機会も多くなってきました。ベロアは手洗いであれば家庭でお洗濯ができます。
またアイロンがけする際はプレスせず、アイロンを浮かした状態でスチームすると羽毛を倒さずにシワを取ることができます。
■ ベロアの特徴
織物生地を起毛させることによって、毛羽立ちを強くした生地のことをベロアと言います。
独特な光沢感があり、ベルベットよりも羽が長く、厚みがあって比較的扱いやすいのが特徴です。
原料には、毛や絹、レーヨン、アセテート、コットンなど様々な素材が使われます。
■ ベロアの洗い方(手洗い)
[1] 押し洗いする
ぬるま湯におしゃれ着用中性洗剤を溶かし、押し洗いする。その後、きれいな水に替え、押し洗いの容量ですすぐ。
[2] 軽く脱水する
洗濯機で1〜3分脱水、またはタオルにはさんで、水気をとる。
[3] 陰干しする
脱水が終わったらすぐに風通しの良い日陰に干す。
☆ポイント 毛羽が倒れるのを防ぐため、ほかの洗濯物にあたらないように干します。
ベルベットのお手入れ方法
ベルベットは水にぬらすことができないので、家庭でできるお手入れは洋服ブラシを使ったブラッシング。
もしシワになってしまったときは、お風呂場に吊り下げ、その後よく乾かすことでシワが取れます。
洗濯したい場合は、ドライクリーニングへ出すことをおすすめします。
■ ベルベットの特徴
2枚の布にパイル糸を織り込み、その2枚の間をカットすることで光沢感のある起毛を作る、イタリア発祥の生地。
擦れたりすると起毛が寝てしまったり、抜けたりすることがあるので、ずっと座るようなシーンでの着用は避けた方が良さそうです。
ベルベットのワンピースなどは立食パーティーなどで着用するのがおすすめです。
水にぬらせないとても繊細な生地であるため、着用時やお手入れの際には注意が必要です。
スエードのお手入れ方法
スエードはとてもデリケートな素材なので、普通のレザーよりも慎重なお手入れが必要です。
特に水に弱いため、着る前・使う前の防水スプレーが必須。防水スプレーで汚れを防ぐこともできます。
基本的にお手入れは、洋服ブラシを使ったブラッシングがおすすめです。
■ スエードの特徴
スエードは、革の裏面を起毛させたものです。
独特の光沢感があり、丈夫なので靴に使われることも多くあります。スエードの靴はよく見かけるのではないでしょうか?
ただし、水ぬれに弱く水にぬれた部分がシミになってしまう場合があるので、ぬれた場合はすぐに拭く、事前に防水スプレーをかけておくなどの対応が必要です。
家庭で洗えるもの・洗えないもの・洗い方比較表
正しいお手入れ・お洗濯で、冬のおしゃれをもっと楽しみませんか?
なんとなく、「お手入れが難しそう」という理由で少し敬遠していたフェイクファーや起毛素材のファッションアイテム。
適切なお手入れ方法を知っていればもっと気軽に楽しむことができそうです。
これから寒い冬の季節がやってきます。
お洗濯が不安で諦めていた方も、この機会にふわふわな起毛素材の作品を手に取ってみませんか?
※この記事でご紹介しているお手入れ方法や洗濯方法は、文献からの情報等を参考に、一般的に適切とされているものをご紹介しています。
ご購入いただいた作品の材質や特徴によっては、ご紹介した方法が合わない場合もございます。
必ず制作した作家さんに確認してお手入れや洗濯を行なってください。
◎参考文献
レジュイール古田武著「クリーニングのプロが教える家庭でできる洋服の洗い方とお手入れ」マイナビ、2012年
中村祐一監修「おうちで簡単洗濯上手 お気に入りの衣類もキレイ&長持ち」大泉書店、2010年